昨日10月30日、大森コラボレーション障がい児・者実行委員会とこらぼ大森協働支援施設の協働で、「障がい者を中心とした災害時要援護者への取り組み」というミニシンポジウムを開催しました。
大田区防災課の佐藤裕一さんと 大田区立うめのき園施設長の有吉孝之さんを講師にお迎えしました。
佐藤さんからは、直下型地震の際の大田区の被害想定、震災時への日常の備え、一時避難場所と学校避難所に関してなど伺いました。また福祉避難所を設置する施設や、開設の手順なども伺いました。
佐藤さんのお話の中で、参加者の多くが改めて考えさせられたのは、普段から近隣・地域との顔の見える関係づくりが、被災時の対応にとって重要だということでした。
また、東日本大震災の避難所の様子を報道などで見て、震災が起こったら、住民皆が避難所に入るようなイメージを持っているかもしれないが、あくまでも、自宅が被害を受けて住むことができなくなった人のための避難所であって、自宅が無事ならば自宅で過ごすのが原則!ということを強調されました。
避難所は、物資の配給やライフラインなどの情報を得るために来る場所という認識を持ってほしいとおっしゃっていました。
また、阪神淡路大震災の結果から導かれた、救助された人の状況として、自助・共助・公助の割合が、7:2:1ということでした。
つまり発災時は、まず自分たちで!が命のその後を分けるようです。
うめのき園の有吉さんからは、地域と連携した施設の取り組みについて伺いました。
近隣に小中学校はいくつもあるものの、以前は、なかなか避難所運営協議会などに呼ばれることがなかったので、地元町会の実施する避難訓練に職員も利用者も積極的に参加し続けた経過を話してくださいました。
近くに東糀谷防災公園ができたのをきっかけに、その年の防災訓練を施設の出勤日として全員参加するようになり、地域と施設利用者をつないでいるそうです。
「防災のまち」糀谷の中で、うめのき園も顔の見える関係づくりを積極的に行っているというお話でした。
お二人のお話に続いて、電動車いすを利用する障がい当事者の市川脩さんと、大田区自立支援協議会防災部会会長の志村陽子さん(知的に障がいのある息子さんをお持ちのお母さん)からも、それぞれの立場でのお話を伺ったあと、質疑応答を行いました。
障がいのあるなしい関らず、地域の一員として、常に情報共有をしておくことの重要性。震災時はどうしても、まず自分のことになりがちだが、一人ひとりが地域の一員として、一人暮らしの高齢な方や、小さなお子さんのいるご家庭、一人暮らしの障がいのある方などを知り、心に留めておくことも大切ということを学びました。
そして、避難所となっているこらぼ大森自体が、障がい児・者実行委員会とともに、共に暮らす地域としての楽しい取り組みを行うことで、つながりづくりを行っていくといいという提案をいただきました。
地域町会とつながりの深い施設の成り立ちを活かした取り組みが重要だという気づきをいただいたシンポジウムでした。